玄能物語

とんとん昔に、栃木県の那須野々原という所に奇妙な石があったそうな。ある日のこと、その石の上を一羽のカラスが飛んでいったと。すると、石の真上に来た時に突然バサッと落ちてしまったそうな。またある日には,石のすぐそばに落ちていた木の実を拾おうとしたタヌキが石に手を触れたらその場でぱったりと倒れてしまったと。その昔に、村の一人が畑を荒らす悪いキツネをこらしめようと罠をかけたところ9匹のキツネが捕まったそうな。そこで村の人々はキツネどもを川にドボンと投げたとさ。その時のキツネたちがその石に化けたのだと村に人々はうわさして、この石を「殺生石」と呼んでいた。そんなうわさを聞きつけた高徳の禅僧である玄翁和尚という人がこの村にやって来た。玄翁和尚は「おりゃー」と気勢上げながら殺生石めがけて鉄鎚を振り下ろして砕き割ってしまったと。するとどうだろう、粉々になった石の上をカラスや雀も飛んでも何も起こらなくなったそうな。それか、鉄鎚を玄翁和尚の名前を取ってゲンノウと呼ぶようになったとさ。